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2018.07.06

広辞苑大学

先日、「広辞苑大学」で講演をしてきました。
今年大改訂されたばかりの広辞苑。
言葉の素晴らしさを伝えるべく90分間もの講義時間をいただきました。
 
90分間に何を伝えようか。
 
私が考えたテーマは
「ラブレターを書く」
 
ラブレターを書いたことがありますか?
私は幾度となくラブレターを書いてきたし今もラブレターを書きます。
想いが溢れ出してどうしようもない時に。
そこで
<「好き」という言葉を使わないでラブレターを書いてみてください>
という実践の時間を作りました。
長い間歌詞を書き、小説を書いている中で、
私がやっていることはそういうことだと思うのです。
例えば、「嬉しい」「悲しい」という言葉を使わないで「嬉しい」「悲しい」気持ちを表現すること。
言葉の表現はそういうことなのだと思います。
いきなり実践では難易度が上がってしまう。
まずは私の書いた曲、3曲を参考に解説しました。

『神様』
神様、願いを叶えて
君のすべてこの体に
受け入れてひとつになって
胸の痛み感じるほど
君を感じる
 
『うたかたの日々』
夢物語 愛の虜に 痛みさえ愛しい
なんてもどかしい なんて美しい
うたかたの日々よ
 
『冷静と情熱のあいだ』
君が笑ってくれるなら 
裸で街走るから
君が抱いてくれるなら
そのまま消えても惜しくないから

 
これらの歌詞に解説を添えてご紹介しました。
自分のことながら詠んでいて切なさが押し寄せる。
私たちは熱い気持ちがあれば、とても美しく強い言葉で想いを伝えることができます。
伝えることを恐れてはいけない。
感じることに目をそらしてはいけない。
その痛みや歓びは必ず意味も価値もある。
 
書いていただいたラブレターを数名の受講者の方々に詠んで頂きました。
どれも美しい言葉だった。
娘さん、息子さんに宛てたラブレター、
恋人に宛てたラブレター、
それぞれの対象に向かった大きな愛が心を揺さぶりました。
私が感じたのは、みなさんがみなさん自身の「言葉」を持っているということ。
技術云々関係なく心から生まれた自分の言葉で伝えれば、それはとても伝わる言葉になる。
愛する人にラブレター書いてみませんか。
 


 
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